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250 名前:名無し職人[sage] 投稿日:2007/01/18(木) 01:47:16 うちの母は鳥が大好きで、飼うだけでは飽き足らず、 家の前にパン屑など撒いてそこらの鳩や烏、雀の世話もしていた。 当然、鳥が集まれば五月蝿いだの糞が汚いなどの苦情が来る。 母は近所に謝り、路上の糞は清掃する事で勘弁してもらった。 翌朝、いつもの様に鳥が集まってきて、母に餌をねだっていた。 「あんた達、ここでご飯食べるならトイレはよそでしておいで。あと、ご飯の時は静かにね」 と独り言のように呟いてパン屑を撒いていた。 今から思うと、その辺りから糞の量が明らかに減っていた。 掃除の手伝いをしている時はあまり気にしてなかったが、鳴き声もほとんど出してなかった。 目に見えて糞の量が減ってきて、鳥も騒がなくなったので、近所も首をかしげながら 母の餌やりを黙認するようになった。 「あんたらったら、食い意地はってんだから」 と母は笑いながら、相変わらず餌をやり続けた。 251 名前:名無し職人[sage] 投稿日:2007/01/18(木) 01:48:24 それから1年と少し、母は老衰から倒れてしまい、あまり長くないと診断が下った。 母は入院し、鳥に餌をやる者がいなくなっても、鳥達はいつもの時間に集まり、 30分くらいずっとそこにいた。 「もうお袋いねーから、お前らに餌やれんぞ」 といっても分かるはずもなく、やらなくなって1週間、1ヶ月経っても集まり続けた。 仕方なしに俺が時々餌を撒いても、すぐに手をつけない。 30分ほど経ち、母が出てこないと分かると ちょこちょこつまんで去っていく。 そんな状態が更に1ヶ月ほど続いた先日、母が他界した。 葬式の日の朝、今までにない位の数の鳥が、家の前の電線に密集していた。 糞もたらさず、身じろぎもせず、鳴きもせず、ただずっとそこにいた。 出棺の時、カラスが数羽、高らかに鳴き上げて、それから一斉に鳥たちが飛び去っていった。 とても不思議な光景だった。母と鳥の間にどんな絆があったんだろう。 今では俺が毎朝パン屑を撒いている。相変わらず、糞をすることはない。 |
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